-患者に安心感を与える腫瘍・血液の診療を目指し、
「血液内科」が誕生しました-
「白血病」は日本人がよく知っている病名のひとつです。もし、みなさんが医師より「あなたは白血病です」と言われれば、どう感じますか?人生や家族のことを考えると思います。このように、白血病は人生を左右する病気であることに疑う余地はありません。しかし、白血病の治療(化学療法)について、みなさんはどれだけのことを知っていますか?
化学療法の歴史はまだ浅く、近年、急速に進歩している分野です。新規薬剤が開発され、Evidence Based Medicine (EBM)が年々確立されている現状を考えると、大学病院にがん化学療法の専門集団が存在しても不思議ではなく、多くの方々の支援を受け、平成17年「化学療法センター」が設置されました。平成19年には専門性を生かし本院の血液診療を担当することとなり、さらに、平成27年1月からは血液・腫瘍を担当する診療科として「血液内科」となりました。そこでは、血液像から遺伝子診断をできる血液・腫瘍専門医を育成し、完全無菌室を備え、化学療法や造血幹細胞移植に対応できる医療体制を整えています。血液・腫瘍の診療には医学全般の知識が問われ、感染症だけではなく全身臓器の異常に対する鑑別診断や管理などが必要となります。これらは若い医師にとって良い機会であり、当科指導医も血液・腫瘍学だけでなく広く医学を学んでほしいと願っています。若い医師の育成に力を注いでいきます。
産業医科大学病院 血液内科診療科長 造血幹細胞移植センター 診療教授・センター長 塚田順一
目 標
血液・腫瘍医(ヘマトロジスト・オンコロジスト)の確立
特 徴
患者の安心・満足度の向上をさせるために、
1. 集学的かつ横断的な「治療チーム」編成
2. 地域の紹介病院および各診療科との密接な連携
3. 質の高いEBMに基づく医療の提供
4. 安全管理
5. インフォームド・コンセント
6. 外来・入院における一貫した化学療法
機 能
化学療法全般
1. 抗がん剤の外来・入院治療
2. がん分子標的療法
3. 造血幹細胞移植
4. ホルモン療法
5. G-CSF・抗生剤・制吐剤・疼痛対策など支持療法
6. セカンドオピニオン
7. 緩和ケアチームへの参加
今後の課題と新しい試みがん薬物治療中の患者さまと医師との距離が縮めました。しかし、以下の課題を解決しなくてはなりません。
1. 地域との連携強化 (支援病院の存在)
好中球減少に対するG-CSF
食欲不振に対する制吐剤・補液など
2. 専門領域の拡大
複数の領域をカバーする必要があり、この修練を行っています。
3. 外来化学療法室の拡充
外来化学療法数は増加を辿り、2007年4月より、センターは点滴ベッド数を12より25に増床しました。
4. 入院管理の実施
化学療法における入院管理を行います。現在、無菌室17室を含む病棟が稼動しています。当科は日本骨髄バンクおよび臍帯血バンクの移植認定施設です。
文責 / 血液内科 更新日 / 2024年7月1日
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